がんの早期発見・早期治療は誤っている!
近藤誠が正しいがんとのつきあいかたを示す
「患者本位の医療」「科学的であること」を追求し続け、医学界において情報公開を推進してきた慶応義塾大学病院放射線科の医師・近藤誠が、現在の医療における問題を提示し、その解決のための行動指針となる医療情報を公開する「問題解決の科学」シリーズ。
第2号のテーマは「がん放置療法」。放射線治療医として長くがん治療にかかわり、欧米の最新理論なども常に取り入れている近藤が、20年間で150人以上の患者に対して実施してきたのが「がん放置療法」である。
近藤によれば、がんは苦しい、痛い、という私たちの通念は間違っているという。実はがん自体は苦痛を生まず、手術や抗がん剤による治療こそが患者に苦痛をもたらし、結果的に寿命を縮めているのである。
「がん放置療法」の実例をもとに、「がんと闘う」ことの弊害、そして現在医学界やマスメディアで推奨されている「早期発見・早期治療」の誤りを、発がん・転移のメカニズムや、臨床データから明らかにする。
担当編集から一言
がんは見つかったらすぐ手術や抗がん剤で治療しなければいけない、という常識を、緻密なデータと論理からくつがえしていく近藤医師の話を聞くと、どこかもやもやしたものが消え、晴れやかな気分になれるが、同時にマスメディアが展開する早期発見・早期治療のキャンペーンのことを思うと暗澹たる気持ちになってしまいます。
講演「がん放置療法のすすめ」(12月17日、中央大学記念館、医療消費者ネットワークMECON主催)
- STUDY1 がんを放置するとどうなるか
- STUDY2 がん治療は寿命を縮める
- STUDY3 「がんは痛い」という思い込み
- STUDY4 がん早期発見に意味はない
深く知るためのQ&A
- ①発がんのメカニズム
- ②がんの発見と治療
- ③がん医療とのかかわり方