第4席は談志が愛した落語『よかちょろ』
立川談志の未公開高座映像をお届けする「談志の高座@クラウド」。
その4席目は、談志の十八番として知られている『よかちょろ』。客の「あんまり面白くないよ」のヤジに怒って途中で高座を降りちゃった夜(「談志の楽屋@クラウド 第3話」に収録)から約1ヵ月後の2006年6月6日、同じく横浜にぎわい座での高座映像です。談志は高座に上がるや否や「面白くないよ、なんて言わないほうがいいよ」言って客席を沸かせます。
落語『よかちょろ』は、談志が『居残り佐平次』の佐平次と並んで愛したキャラクターである若旦那が活躍する、談志お気に入りの演目。テレビやラジオではとても放送できない艶笑小噺とジョークから、まくら、そして落語『よかちょろ』まで今回もほぼノーカットで収録。この高座を会場で目撃していた落語研究家・草柳俊一による解説テキスト「解説 談志の『よかちょろ』」付。
担当編集から一言
談志十八番、なかでもとくに談志師匠が愛した落語『よかちょろ』です。
前日に石原都知事と酒をしこたま飲んだらしく、あまりコンディションがすぐれない談志師匠。途中で「あれ、わかんなくなっちゃった」と止まってしまいます。しかし悪びれることなく「『勉強して出直して参ります』なんて言って引っ込んじゃおうかな」などと言って客を笑わせ、すぐに調子を取り戻します。前回の「談志の楽屋@クラウド 第3夜 談志が途中で降りちゃった夜」もそうでしたが、ハプニングさえエンターテイメントになってしまうのは、さすが談志師匠。
『よかちょろ』の若旦那といい、談志師匠といい、まさに落語的了見が凝縮された一席です。
第1章 艶笑小噺とジョーク(11分9秒)
第2章 まくら~落語『よかちょろ』(23分8秒)
テキスト「談志の高座@クラウド」とは
解説テキスト「解説 談志の『よかちょろ』」