シリア武装組織による拘束から解放されて1年。
いまになって、ようやく語れることがある。
紛争地ジャーナリスト2人の共同作業で向き合う拘束事件、戦争、私たちの社会。
〈実行犯グループ〉はだれだったのか?
〈身代金デマ〉はどこから出てきたのか?
〈他罰的・不寛容な人々〉とはだれなのか?
著者の安田と藤原はともに紛争地を専門とするジャーナリストであり、友人関係にある。
3年4か月にわたってシリアの武装組織に拘束されていた安田は、
「身代金が支払われた」というデマや自己責任論によって容赦ないバッシングを受け、
現在も「出国禁止」状態が続いている。
一方の藤原は、安田の安否を気遣い、トルコにも足を運び、情報収集に奔走した。
本書のための語り下ろし(対談)と書き下ろしで構成。
はじめに 不寛容な社会で
第一章 解放までの三年四か月
第二章 紛争地のリアル
第三章 現在につながったできごと
第四章 生業としての紛争地ジャーナリスト
第五章 「自己責任論」と向き合う
第六章 デマ拡散時代の戦争取材
おわりに 「身代金」報道にこだわる理由