治療のわな

治療のわな

「やりすぎ医療」をなくすために医師と患者でできること
著者 ローズマリー・ ギブソン (著者) ジャナルダン・ プラサド・シン (著者) 岡本 左和子 (翻訳)
発売日 2016/06/27   価格 2200円(税別)
判型・製本 四六判 並製   頁数 296
ISBN 978-4-907623-23-4   Cコード 0047
発行 dZERO   発売 dZERO

なぜ、医療は「やりすぎ」てしまうのか?
どうすれば、「やりすぎ」から身を守ることができるのか?

原題は“The Treatment Trap”で、アメリカ医学界にインパクトを与えた力作。
米エコノミストが「市場経済」視点を入れながら「過剰医療」を徹底調査。
「医師が患者になったとき」でさえも不必要な治療を受けてしまうのはなぜか。
利潤追求のあまり過剰になる医療の実態を克明にリポートするとともに、
その「わな」を見抜くための医療側からの貴重なアドバイスも紹介。

[日本語版まえがきより]
現代医療に新しい現象が見られています。「過剰医療」「やりすぎの医療」と呼ばれ、治療から得られるだろうと予測されるメリットよりも、副作用あるいは不確定な害が起こる可能性が大きいことをいう、と定義されました。
米国だけに限りません。フランスのパリ・コンベンション・センターで行われた国際学会での講演で、さまざまな国から参加している医師や看護師、病院の管理者、その他医療関係者に、過剰医療が懸念事項であるかを尋ねたところ、多くの国で「過剰医療」が深刻な問題であることを知って、非常に驚きました。しかしながら、米国の利潤追求の市場本位なシステムが「医療のやりすぎ」をかなりの高頻度で実施させてしまっていることは明らかです。(ローズマリー・ギブソン)

[第Ⅰ部 思いきって目を見開こう]
第1章 誰も耳を傾けない孤独な声
第2章 ある医師の語り
第3章 ここまでの道のり
第4章 「やりすぎ」という人間の顔
第5章 あなたは被ばくしていませんか?

[第Ⅱ部 不確実性と市場本位、そして、お金]
第6章 不確実性
第7章 マディソン・アベニュー・マーケティング VS 医学
第8章 “マリネ”される思考
第9章 読みたくない章

[第Ⅲ部 失敗を肥やしにする]
第10章 バイパスを回避する
第11章 “患者のため”にでなく、“患者と一緒”に

[第Ⅳ部 すべての問題には解決がある]
第12章 人を減らすのではなく、過剰医療を止めよう
第13章 もう一つの不都合な真実
第14章 快復計画の一〇ステップ
第15章 自分を守る二〇の賢明な方法