美味しさの記憶

美味しさの記憶

人文的「食」紀行
著者 山口 謠司 (著者)
発売日 2025/09/26   価格 2000円(税別)
判型・製本 四六判 並製   頁数 224
ISBN 978-4-907623-79-1   Cコード 0095
発行 dZERO   発売 dZERO

装画・挿絵:山口謠司
ブックデザイン:大口典子(ニマユマ)

ゆっくり読んで深く味わう食の風土記

各地に実際に足を運んで取材するとともに、和漢洋の古典史料や詩歌などの文献を引きながら、
独自の目線で食文化をひも解く。
さらには、「食べる」という営みによって受け継がれている人類の記憶をたどる。
著者がパーソナリティーをつとめる「PLENUS RICE TO BE HERE」(J-WAVE、2023 年から放送中)の内容をもとに、
大幅に加筆・再構成した作品。

【目次】

  
江戸の情
01 『本朝食鑑』を片手にたどる元禄の贅
02 美味しさをお茶とともに
03 元禄バブルの崩壊で、変化した食事
04 天明の大飢饉と、「初物」への思い
05 「ひっぽこ」に「おしろこ」、落語に残る江戸弁
06 江戸の煎餅は、お米で作る保存食

音と甘い香りの記憶 
07  消えてしまった「触れ売り」の声
08 歌と匂いに誘われて
09 甘いお菓子を配る意味
10 甘いものには、理由がある
  
道具と器の物語
11「関孫六」と三島由紀夫と大盛堂書店
12 ものの始まりは、なんでも堺
13 漆の器と、はじまりの食卓
 
異国の味
14 山下清とちゃんぽんと、グラバー邸
15 シャクシュカとピタパンとあんこまんじゅう
16 人の為に謀りて忠ならざるか
17 世界最強の海軍を支えた乾パン
18 カレーをめぐる歴史地図
  
命の恵み
19 「牛肉は臭い」から、「牛肉は美味い」へ
20 古代の日本語に思いを馳せ、ジビエをいただく
21 絶滅したキング・オブ・ニワトリ
22 北原白秋の詩とともに、金目鯛をいただく
23 「蝦夷共和国」を夢想しながら、水ダコをいただく

空と土と水の饗宴
24 柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺
25 カッポレカッポレあま茶でカッポレ
26 風と木々が交わすあいさつ、雨と土の間にある信頼
27 忘れられた根を、もう一度土へ
28 祭るに、在すが如くす「あえのこと」

米にまつわる光と影
29 蓄えておけないからこそ、広く人々の手に
30 古代青森人の「米はいらない」という選択
31 奈良時代、役人は何を食べていたか
32 江戸っ子の憂さ晴らしと「おにぎり」